「貧すれば鈍する」
2020年11月19日(木)
テーマ:日常の雑感、発見、出来事, 経営について
「貧すれば鈍する」について書かせてもらいたいと思います。
この言葉、お聞きになったことのある方がいらっしゃるかもしれません。
意味は、「貧しいと、何事も鈍ってくる」ということができます。
これを経営に当てはめてみると、とても説得力を持つ言葉となります。
わたしは、経営者のみなさんに、「精神的な余裕のために、融資を受けたらどうですか?」と申し上げることがあります。
無借金経営・・・・美しい言葉ですね。
「借金=悪」と思ってませんか?
これ、個人と事業者では、全く、とらえ方が違ってきます。
※個人とは、純粋な個人。事業者とは、個人事業、法人問わず、事業を行う場合を指します。
個人の場合、借金は、全部とはいいませんがその多くは、「足りない金額を補てんするため」ですね。
生活費、遊興費、その他、いろいろ挙げられようかと思います。
事業者の場合は、どうでしょうか。
その目的は、「次のビジネスのための投資」「運転資金のため」です。
もうひとつ、大事な目的があります。
それは「安定、安心のため」です。
個人の目的と、全く違います。
個人の場合は、「借金」、事業の場合は「融資」と区別されていることも、両者が、その趣きが違うことを指しています。
つまり、事業者の場合の借金(融資)は、すべてが「悪」ではないのです。
もちろん、事業者が融資を受けることが、「悪」になることは、あります。
無謀な投資、乱脈経営で資金繰りが悪化した場合、など挙げられますね。
事業資金に余裕がないとき、どうなるのでしょう?
具体的に、例示します。
事業者の口座の残高が100万円だったとします。
毎月の支払いが、100万円、毎月の売上が100万円である場合、売上入金時期によっては、口座の残が0を割り込むことが考えられます。
「不安ではありませんか??」
この『不安』が、やっかいです。
わたしは、次のフローが成り立つと考えています。
口座の残金が少ない
↓
夜な夜な不安になる
↓
【受注面】
取るべきではないお仕事を、パクっと取ってしまう。
受注したいベクトルが働くので、受注価格が低くなる。
良いクライアントではないので、業務効率が極めて悪くなる。
長い付き合いができないクライアントばかりになる。
【外注面】
適正な価格なのに、値切りたくなる。
外注先に、異常に厳しくなる。
外注先と付き合えない。
良くない外注先とばかり、付き合い、品質が低下する。
結局、発注するべき仕事を自分でやってしまう。
【そして…】
↓↓↓↓↓↓
経営が悪化する。
↓
人格も悪化する。
↓
事業継続が困難になる。
↓
廃業へ。家族を路頭に迷わせる。プライドがズタズタになる。
以上が、わたしの考える「資金不足による悪い循環」です。
このような事業者の方は、ぜひ、融資を受けて下さい。
この例では、200万円くらいが相当かと思います。
日本政策金融公庫でも、地元の金融機関でも構いません。
最初は、日本政策金融公庫が良いと思います。金利が2%~3%で、信用保証協会の保証料も不要です。
日本政策金融公庫から200万円、融資を受けて、5年返済で利息が2.5%だったとしましょう。
5年間で支払う金利は、20万円位ではないかと思います。
5年間で20万円。
高いと思いますか?安いと思いますか?
わたしは、この20万円を「安心代」「良いお仕事をするためのスパイス」と考えます。
決して高いとは思いません。
200万円があることで、次の良い循環が始まります。
融資を受けたお金であっても、口座の残金に余裕がある
↓
不安な夜が減る
↓
【受注面】
取るべきではないお仕事を、パクっと取ることがなくなる。
資金的余裕があるので、受注したいベクトルが少し和らぐ。
良いクライアントと付き合うことができるので、業務効率がよくなる。
長い付き合いのクライアントばかりになる。
【外注面】
適正な価格であれば、値切ることなく、発注する。
外注先に、通常どおりの付き合いができる。
良い外注先と付き合い、品質が向上する。
任せるべきところは任せる、という健全な経営ができる。
【そして…】
↓↓↓↓↓↓
経営が安定する。
↓
人格も安定する。
↓
長期に事業継続が可能となる。
↓
家族に笑顔があふれ、プライドも保つことができる。
========
「貧すれば鈍する」
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ご理解いただけますでしょうか?
貧しければ、判断力だけでない、経営力も鈍るということです。
融資を受ける=100%善 とは言いません。
しかし、事業をされている方の中で「融資=悪。無借金経営=善」と思い込んでいる方がいらっしゃれば、ぜひ、一度、考えてみてください。
以上、わたし(崎田)が、経営者として、本心から、また経験から思うことを書かせてもらいました。
長文、お読みいただいて、ありがとうございます。
飛び込み営業をやめた理由3つ
2020年9月11日(金)
テーマ:日常の雑感、発見、出来事, 経営について









失敗ばかりの人生を振り返って
2020年8月5日(水)
テーマ:日常の雑感、発見、出来事, 経営について
時折、私は自分のことをこう自己紹介することがあります。
広島の行政書士業界で
失敗と克服の回数が一番多い、崎田です。
失敗とは、実務ではなく、経営・事務所運営面ですよ。
常々思っていることがあるんですよね。
やらないで後悔するより
やって後悔したほうがいい。
これ、哲学っぽく聞こえますが、実はそうでもないのです。
アメリカの大学での実験では、やった結果の後悔よりも、やらなかった結果の後悔のほうが、1.5倍、強いことがわかっています。(ボストン大学)
また他の大学の実験では、後悔の種類をいくつかに分けたところ、
「理想への後悔」が一番強く後悔してしまうことが結果として出ています。(コーネル大学)
少し関連して、今度は哲学っぽくなりますが、「死ぬ時に後悔すること」について調べてみました。
いくつかの本の後悔トップ5には、「やらなかったことへの後悔」が、必ずといっていいほど出てきています。
※ここではご紹介しませんが、ご興味あれば、【死ぬ時に後悔すること】で検索されてみてください。いいブログ記事、たくさんあります。
楽天の三木谷氏はこう言っています。
人生における最大のリスクは、後悔すること。
そのとおりだなぁと思います。後悔はリスクだと思います。
広島の行政書士業界で
失敗と克服の回数が一番多い、崎田です。
時折使う、自己紹介ですね。
もしかすると日本全体で見ても、失敗の数、多いんじゃないかな?と思ったり、します。
やってみて、失敗して、やってみて・・・
最近思うのですけども、失敗した時の「傷」が小さくなってきているんです。
まああれだけやれば、いやでも学んでくるか。
数え切れない中からピックアップしてみると・・・
・大きい会社の顧問になりたくて、いいクルマ買って、支払えずに売る。
だって、顧客の駐車場にいい車で乗り付けたかったんだもん。(←アホですな)
・何はともあれ、拡大したくて、採用しては退職に。
新卒採用の子が退職する時はこたえましたね。年末の営業終了日、後ろからその子が走ってきて、「今年もありがとうございました!」と言われるのかと思ったら、辞表を手渡されました。あの子、元気かな。
・組織拡大だけしか頭になくて、支払う給料のために働きづめる。
・職員の慰労会を開いたら、逆に大量退職のきっかけに。
・公庫に融資申し込んだら、見事、断られる。7~8年前かな。
私のプロフィールページ(新タブ)に貼ってありますが、再掲しますね、公庫からの断り文書です。
↓
ここに書いたものは、大きめのものです。小さいものは省いています。キリがない。
ちなみに、いまは、拡大路線をやめました。
私の力量では、関わるみんなが苦労するし、幸せにもなれないと判断。
一番には、私自身、組織拡大への執着が完全に消えた、というのもありますけども。
私が果たすことができる役割は、組織拡大することでもマネジメントでもありません。
ここに気づいたのもありますね。
ひとつ、はっきりわかるのは、
周りの人に助けてもらっているから、今がある
ということですね。
私の人生に、良かった点があるとすれば、助けてくれる人に巡り会えたところ、かなと思います。
感謝しかない。
この場を借りてお礼申します。
本当にありがとうございます。
それで、助けていただいた状態で書くのはどうかと思うのですが、
やったことに後悔はないんですよね。ここ不思議。
やらなかったら、たぶん、後悔していました。
全部が全部、やったわけではなくて、やらなかったことも、当然あります。
ただ、経営的な判断をしてやらなかったわけで、ここらへんは、年を経るごとに、精度が上がってゆきますね。
私が見ていてすごいなと思うのが、
最短距離で目標まで走る人。
到底、かないません。
私みたいな、アホな失敗をしないよう、きちんと勉強されている結果だと思います。
そうとしか思えない。
私の場合、基礎なしに実践から入ってしまう性格なので、見習いたい。
「順調すぎると、失敗した時にやばいよ」とか、言うつもりは全くありません。
失敗はしないほうがいいよ絶対。
どうせ失敗は大なり小なり経験するんだから、最短距離で、失敗の数は少なめに進むほうがいい。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」ということわざがありますが、あれ、嘘だと思ってます。
どうせ苦労するんだから、買わなくてもいいと思います(笑)
経営者になって20年。
私はここからは、最短距離で行きたいです。今さら遅いと言われそう。
あれ?文脈が外れてきたような…。
終わります。
広島の行政書士業界で
失敗と克服の回数が一番多い、崎田
でした。
ちなみに、このブログの名称は「七転び、八起き」です。
ビジネス書の根底に流れている思想【5つ】
2020年7月18日(土)
テーマ:日常の雑感、発見、出来事, 経営について
ビジネス書。
多い少ないはあるでしょうが、読んだことはある方がほとんどかと
ビジネス書とはビジネスに関連した本を指します。
経営、マーケティング、経済、自己啓発など、ジャンルは多岐に渡
最近ビジネス書そのものについて考える機会があり、気づくことが
今回はその気付きについて書いてみたいと思います。
題して「ビジネス書の根底に流れている思想【5つ】」。
一応、ビジネス書と25年くらい付き合っている者のいち意見とし
ビジネス書で言っていること、言い換えると
底辺に流れる思想はこれら【5つ】ではないか?と思うんです。
つまり
1.とにかく、やれ
2.知恵を獲得しろ
3.あれこれ考えるな、習慣にしろ
4.本質を見抜け
5.「いま」にフォーカスしろ
この5つです。
本によって言っていることは様々。
テーマも様々です。
でも伝えたいことは上の5つのいずれかに当てはまるのではないか
少なくて1つ、多くて5つすべてが当てはまる本もあります。
◆1.とにかく、やれ
あれこれ考えなくていい、とりあえず始めろ、ということですね。
でも…とか、だって…とか、あれをやってから…とかじゃない。
まず始めてみなさい、と。
仏教用語に「知覚動考」というものがあります。
「知って、覚えたら、動きながら、考える」という意味合いですね
考えるなら動きながらでいいよ、と。
ちなみに、心理学でも似た用語があります。
「ベイビーステップ」。
完璧じゃなくてもいいので、まず始めることで結果的に継続しやす
やろうとする気持ちは、気持ちから始まるのではなく、行動から始
あれこれ考えなくていい、とりあえず始めろ。
これが根底に流れていると思います。
◆2.知恵を獲得しろ
知識、情報ではなく、知恵を獲得しなさい、と言っているように思
知恵とは「物事の道理を判断し処理していく心の働き。物事の筋道
知識、情報はその多くが手段や手法に関してであって、道理や物事
「知恵を獲得しなさい」とは、知識、情報にフォーカスし手段や手
港町で食べ物に困っている人に、魚をあげるのではなく、魚の捕り
この考えを少し堀り進めると、魚を捕る時に、知恵に近い「姿勢・
どうしてその釣り方になったのか、もっと根底にある命をいただく
これに近いのかもしれませんね。
◆3.あれこれ考えるな、習慣にしろ
とにかくやれ、に似ていますが「習慣」に焦点が当たった表現にな
物事はモチベーションで続けるものではない、という現実が根底に
モチベーション(大枠の意味で「やる気」)は、無くなればそれま
鉄は熱いうちに打て、ということわざもありますよね。
一方、習慣というのは、そら恐ろしいくらいに強固で、継続性があ
人生のほとんどは習慣化された行動で構成されている、と言っても
習慣はモチベーションとは関係ないところで機能し続ける。
習慣はその多くで苦労を感じない。「よっこいしょ!」と、あえて
これを利用しない手はない、というのが、ビジネス書で、暗に明に
昔から、よく理由は分からないけども繰り返していること、ありま
そして、その習慣の積み重ねがあなたを作り上げていると思います
私にもたくさんあります。
習慣にするための手段や方法を考えることは必要かもしれませんが
あれこれ考えるのではなく、良いことと思ったものは習慣化してし
習慣と似た考え方に「仕組み」があります。
経営に特化したビジネス書では「仕組み化しなさい」という考えが
◆4.本質を見抜け
世の中に流れる情報には、そのほとんどにおいて方向性が決まって
ベクトル、またはバイアスとも言いかえることができます。
テレビが顕著かと思います。視聴者が受け取る印象と、行動の結果
新聞も似ていますね。テレビの視聴率は、新聞では購読者数や、継
人は「揺さぶられる」感情に弱いと言われます。
恐れ、怒り、そして感動。(驚き、というのもありますが稀だと思
基本的には、この3つ(=恐れ、怒り、感動)が使われますね。
あと、人間の三大欲求も視聴や購読の拡大に使われます。(睡眠欲
メディア全体にいろんな目的もあって、それはイデオロギーや販売
世の情報のほとんどは、一定のバイアスがかかっている、と見て良
個人的に面倒なのはイデオロギーですね。
テレビ局、新聞それぞれに右系、左系の思想があり、1つの媒体を
ビジネス書においては「販売数」が最も大きい要素になりますね。
売れるであろう本しか出版されないのが通常です。
(いわずもがな、売れない本ばかり出すと出版社は倒産してしまう
だからこそ、本質は重要。(ビジネス書に限らず全般的に)
・悪い印象を与えたい対象について、良くない表情を紙面や画面の
・インタビューのいち部分だけを切り取って報道する。
・スポンサーにとって都合の悪い情報は隠す。
・統計資料の都合のいい部分だけ抜き取って、主張に使う。
・読者が新鮮に思ってくれるだけの手法や論旨に都合の良い資料を
・視聴者、読者に一定のイデオロギーを持ってもらいたいための放
などなど。本質を見抜くのを妨げる例を挙げればキリがありません
最近ちょうど「あ~これか~」と思った例がありました。
年金積立金を運用するGRIFで、2019年度に最終的に8兆円
これを聞いた人は、「何やってるんだ!将来どうするんだ!」と思
これはまさに上で出てきた「恐れ+怒り」を使った報道になると思
一次情報(ここでは統計情報)を見れば、ここ20年間に積み上が
そもそもですが、年金は現役世代が納めた分がそのまま受給者にい
年金支給に占めるGRIP運用分からの支出は3%~4%程度です
年金支給において、保険料と税金が95%以上を占めています。
あれ?と疑問に思いませんか。
「年金積立金を運用するGRIFで2019年度8兆円強の損失を
怒り、恐れを感じる。
感情が揺さぶられる種類のネタを、効果的に放送、掲載している、
そのほうが視聴率や購読率につながりますし、番組、記事的に「ら
これは批判ではなく、やむをえずそうなってしまう構造的な問題だ
だからこそ、本質を見抜く必要があり、そのためには、技量、能力
良質に見える情報であっても、バイアスのかかった情報を鵜呑みに
例えば、自分の価値観や考え方、選択にとって大事な情報について
ビジネス書ではその多くで「本質を見抜きなさい」という思想が根
個人的には、商業出版5冊目あたりの著者さんの論旨は心地よいで
バイアスかけないし、肩に力も入っていない。
読者としては、バイアスを疑わなくてもスムーズに読むことができ
◆5.「いま」にフォーカスしろ
ビジネス書の多くで【いまにフォーカスしろ】という趣旨の内容が
過去でも未来でもない、いまを見なさい、と。
過去は変えることができませんし、未来は未確定なことが多く、不
もう少し掘り下げるなら、過去のことを後悔まじりに悩んだり、未
情報と知恵を獲得した上で【対策しておこう】ということかと思い
過去の振り返りは、PDCA(計画・実行・評価・改善)の「評価
アドラー心理学で有名な岸見一郎さんは次のことを言っています。
「どうすれば人は幸せになれるか」
→「今ここを生きることである」
過去や未来を手放し、今日という日を精いっぱい生きましょう、と
なるほど。そうだよなぁと思います。
以上、つらつらと書いてしまいました。
ビジネス書の根底に流れている思想【5つ】でした。
私よりもたくさん読んでいる人はいらっしゃることをわかった上で
投稿者:崎田 和伸
福岡で勉強してきました(士業事務所経営)
2020年1月24日(金)
テーマ:日常の雑感、発見、出来事, 経営について
※写真は博多駅です。
先日、福岡で経営の勉強をしてきました。勉強といっても、経営面での情報交換です。
長江氏、渡邊氏、私の三名。
博多のもつ鍋屋さんで会合。
長江氏は






