【経営者として】何かできなかったのか?考えてます。
2015年11月20日(金)
テーマ:経営について
行政書士事務所を始めて(起業して)、いくつか、忘れられない出来事があります。
たくさんありますけども(-_-)、今日の記事はその一つについて。
ある年の暮れ。
弊社が広島市中区西白島にあった時代です。(現在、広島市東区光町。)
職員に「今年一年、おつかれさま。来年もよろしくな」と声をかけ、事務所を出ました。
そして、通勤用自転車の鍵を開けようと思ったときのこと・・・。
後ろで誰かが、わたしの名を呼んでいます。
職員の一人、新卒で入ってくれた男の子でした。
とっさに「お~どうした~?」と声をかけます。
心の中では
“おお、一年間のお礼か~、律儀なやつだなぁ”と思いつつ…。
次の瞬間、そんな淡い、甘い考えはもろくも崩されることになります。
出てきた言葉は…
『辞めさせてください。』
そして辞表を手渡されました。
その時、わたしは何と受け答えをしたか、実は憶えていません。
~~~
彼は、弊社で初めての「新卒」。
大学卒業後、すぐに勤めてもらった男の子です。
先に入社してくれていた社員に彼の上司になってもらい、指導してもらっていた最中。
中小零細の弊社では、新卒は原則、幹部候補生ですよね。
わたしの思い入れも相当なものでした。
それが「辞めます。」…(-_-;)
新卒を採用したことのある方はお分かりかもしれません。
新卒は、育成にお金がかかります。
中途採用以上に手間がかかる。
社会での規範や身のこなし方も指導しなければならない。
名刺交換のやり方からです。
戦力になるのは、少なくとも3年はかかると思います。
この社員は、新卒入社前のアルバイト期間含めて2年半というところ
だったと思います。
戦力となる寸前。
呆然(ぼうぜん)とは、このことを指すのですね。
ほんと、記憶がありません。
~~~
その時のわたしは、組織拡大志向の真っ最中。
その帰り際、フツフツと怒りがこみ上げてきました。
怒りって何だと思いますか?
その社員が辞めるってことじゃないんです。
怒ったのは
「上司じゃなく、直接、所長に退職を伝えたこと」。
その当時のわたしらしい怒りです(^_^;)
むちゃくちゃ、腹が立ちましたね。
組織拡大思考から来る怒りですね。
“辞表は上司から社長に出されるもの”。
そういう“自分で勝手に作った決まり”がありましたから。
やり場の無い怒りがフツフツと湧き上がっていたのを思い出します。
~~~
それから数日、数週間、1ヶ月と時が経つにつれ、心が落ち着いてきた頃。
もうひとつの気持ちが湧き上がってきました。
それは…
「わたしは退職を伝えられるまでの間に、何かできなかったのだろうか?」。
どうして退職の道を選んでしまったのだろうか。
それまでに、何かしてあげることは無かっただろうか?
思いつくものすべて、紙に書きなぐりました。
・給与を増やすこと。
・交通費を増やすこと。
・残業を減らすこと。
・ここをあれにすること。
・あの体制を、この体制にすること。
・あの時に、あーしてあげられなかったか?
・・・という風に具体、漠然、混在した内容です。
わたし、そこに書いてあることを眺めながら思ったんです。
ふと、というか、自然に、です。
思わず、感じてしまった。
「全部、自分じゃ無理だ」と。
それに、わたしが不得意なことも並んでます。
どう時間をやりくりしても、手が届かないものも、並んでいる。
参った。
全部、やっていったらうまくいくだろうことは、想像できる。
でも、不得意な分野もあるし、全部、自分じゃ無理だ。
思い返してみると、その頃です。
「役割分担できる体制を作ろう」ということを思い始めたのは。
組織拡大志向だったのに“会社の運営”という面での役割分担を
考えたことがなかったのです。
その頃から、
どう分担するのが一番幸せになるか?
を考え続けました。
二度と、仕事収めに辞表を出されないように・・・・。
~~~
結果、「社内」「社外」を分担する体制へ向かうことになります。
現在、これで進んでいます。
わたしは社外が担当。
もう一人の社員行政書士(=役員)が社内を統括しています。
ついでに、規模拡大志向は捨てました。
規模が大きくても、幸せじゃなければ意味がない。
規模のために、何かを犠牲にするのではない。
お手伝いしたい方を思いっきりお手伝いできる事務所にしたい。
お手伝いしていて嬉しいと感じ、その過程や結果において、
依頼人さまには嬉しいと感じていただける事務所にしたい。
今の弊社の置かれた環境では、これが選択すべき方向性だと思いました。
そして、正直者が報われる事務所に。
ついでに、残業する人がエライと言われることの無い事務所に(^_^;)
残業しなくても仕事が終わる、生産性の高い環境の整った事務所に。
~~~
まだ完全な答えが出ているわけではないです。
でも少なくとも、「規模」については、何となく、思います。
規模を目指す結果として幸せがあるんじゃなくて、
幸せがある結果、偶然、規模が大きくなるんじゃないか?
“甘いよ、それ。”
ベテラン経営者さんから言われたことがあります。
確かにそうかもしれない。
でも、自分の手が届く範囲では実現したい。
結構本気で思っています。
~~~
そんなこんなで、今、倒産せずに、経営できています。
依頼人さま、スタッフ、家族の“おかげ”“さまさま”。
おかげとか、さまさまとか、上辺だけの美辞麗句だと思ってましたが、そうじゃないんですね。
腑に落ちて、感じます。
またその頃からでしょうか、口癖のように浮かんでくる言葉があります。
“自分は運がいい”。
結構むちゃくちゃな経営をしてきて、倒産の危機も味わいましたが、
何のご縁か、因果か、存続できている。
ほんと、不思議。
この不思議な感覚は、事業している人独特なものなんでしょうか。
わたしだけのものなんでしょうか。
分かりません。
まだ、試行錯誤の真っ最中です。
今、間違ったことをしているかもしれない。
ベストじゃないかもしれない。
でも少なくとも、最善は尽くしていると思っています。
この最善が、ベストなのか、そうじゃないのか?
その答えは、数年後、こうやって文章書きながら、振り返るとき、分かることなのでしょうね。
これからも、無理せず、ボチボチと、でも全力で走ってゆきたいと思います。
長々とした投稿でしたね。
今日も、読んでいただいたあなたに感謝します。
投稿者 崎田 和伸でした。
・プロフィールはこちら
http://e-jimusho.com/profile.html
・取扱いサービス
会社設立代行、法人設立代行、建設業許可申請代行、産廃許可、古物許可、酒類販売免許、宅建免許などの許認可申請代行、創業融資申請サポート、経理会計記帳代行など。
一覧はこちら ↓↓
http://e-jimusho.com/gyoumu.html
役職員の平均年令は35歳(だいたい)。
あなたの事業を若い感性と行動力をもって、精一杯、サポートいたします。
◆事務所名(行政書士法人名)
あすみあグループ所属
行政書士法人 Asumia(R) ※由来:明日見歩
本店:広島県広島市東区光町2丁目6番41号 セネスビル4階
窓口ウェブサイト:http://e-jimusho.com/
◆Asumiaお客様サポートのご案内
・当法人Facebookページ
https://www.facebook.com/gyouseishosi
※むちゃくちゃ励みになります。ぜひ「いいね」ください(^^)